出産を控えたお母さん鹿の保護をしています

この時期、奈良の鹿愛護会では出産を控えたお母さん鹿を鹿苑に保護しています。
保護されたお母さん鹿は、ストレスを感じることなく安全に出産して育児をします。
しかし、中には奈良公園で出産子育てをするお母さん鹿もいますので、
もし奈良公園で子鹿を見つけても絶対に触らないでください。
温かく遠くから見守っていただきますようにお願いいたします。

保護活動ではお母さん鹿を眠らせて鹿苑まで安全に保護しています。

また、保護活動中は近づかないように離れて見守ってくださいね。

鹿苑で保護されているお母さん鹿たちの様子

【鹿からのお願い】
○公園内で鹿の赤ちゃんを見つけたら、そっと見守ってください。
子鹿は生後2~3週間は草むら付近で隠れて過ごす習性があります。

○鹿の赤ちゃんに触らないでください。
人の匂いがついてお母さん鹿がお乳を与えなくなることがあります。

○お母さん鹿に注意してください。
お母さん鹿は母性本能が強く、人が赤ちゃん鹿に近づいたりするだけで攻撃してくることがあります。

○鹿が誤ってゴミを食べてしまいますので、ゴミは必ず持ち帰りましょう。

○奈良公園に生息する鹿は野生動物で、主にシバや木の実を食べ、「鹿せんべい」はおやつです。
その他の食べ物を与えるとお腹を壊しますので与えないでください。

奈良公園の鹿マナー、母子鹿についての動画はこちらよりご覧ください。
https://youtu.be/pcjxqc15Qc0

「野生生物と交通」研究発表会パネル展示

交通事故に遭遇した「奈良のシカ(ニホンジカ)」90頭の予後
2月18日(金)に開催された「野生生物と交通」研究発表会で、パネル展示を行いました。タイトルは、“交通事故に遭遇した「奈良のシカ(ニホンジカ)」90頭の予後”です。
以下のサイトで3月15日までどなたでもご覧になれます。

http://www.wildlife-traffic.jp/symposium/display/
(外部リンク (一社)北海道開発技術センター「野生生物と交通」)

要点だけかいつまんで述べますと、令和2年度に奈良の鹿愛護会で保護および治療を行ったシカ183頭のうち、90頭が交通事故に遭遇したシカでした。交通事故により治療したシカ90頭のうち、47頭は残念ながら死亡しましたが、35頭は回復して無事奈良公園に復帰することができました。残り8頭は後遺症が残ったため、引き続き奈良の鹿愛護会で保護しています。

私たちの保護活動は皆さまからの
ご寄付や募金によって支えられています。
どうぞご支援をよろしくお願い致します。
ご寄付はこちらからお願い致します。
https://naradeer.com/donate/
奈良の鹿愛護会会員ご入会はこちらからお願い致します。
https://naradeer.com/member/
奈良公園の鹿の交通事故
鹿たちが直面しているさまざまな危機のひとつに、車との交通事故があります。
奈良公園を走行される際には、慎重かつ安全運転をお願いいたします。
https://naradeer.com/learning/problem.html

1頭去ってまた1頭

シカは集団で生活する生き物です。進行方向はみんなといっしょ、前にいるシカが走っていたら自分も走るといった具合です。
鹿苑内にいるシカたちも食べるときはみんなといっしょです。

みなさんの中には、奈良公園で鹿せんべいを1頭のシカに与えたら、次から次へと他のシカたちがやってくるのを体験したことがある人もいるのではないでしょうか。シカは周りにいる他のシカたちの動きを見ていないようで、よく見ています。1頭のシカが鹿せんべいをもらっているのを見つけると、すぐ近くにいるシカたちが気づいて鹿せんべいに向かってやってきます。そうすると、もっと遠くにいるシカたちが鹿せんべいに群がっているシカたち(鹿せんべいには気づいていないかもしれない?!)に気づいてやってくるのです。
しかし、このように群れで行動することで、思わぬ災難に見舞われることがあります。
奈良の鹿愛護会で治療しているこの雌鹿は、奈良公園近郊で車にひかれました。

車を運転していた人の話によると、1頭のシカが道を横切るのを見届けたので、特に車を減速せずに時速50キロくらいのスピードで走っていたら、別のシカが道を横切ろうとして、当たってしまったとのこと。
幸い人と車は無傷でしたが、このシカは左前肢を骨折し、右後ろ足に大きな裂傷、顎も折れており、立ち上がることはおろか、エサを満足に食べることもできません。残念ながらこの先元気になる見通しが立っていない状態です。
車の運転中に奈良公園やその周辺でシカが道を渡っているのを見かけたら、もちろんそのシカに注意して運転することは必要ですが、そのシカが通り過ぎたからと言って一安心するのは禁物です。なぜならシカの習性上、別のシカが後をついて道に現れる可能性があるからです。ぜひ道の両脇にシカがいないか確認しつつ、ゆっくり運転しましょう。ドライバーのみなさん、シカにやさしい運転をよろしくお願いします。

私たちの保護活動は皆さまからの
ご寄付や募金によって支えられています。
どうぞご支援をよろしくお願い致します。
ご寄付はこちらからお願い致します。
https://naradeer.com/donate/

3本肢のシカたち

奈良公園周辺では毎年数多くのシカたちが交通事故に遭い、約半数が命を落としています。

奈良の鹿愛護会では、交通事故に遭遇したシカたちの治療を行い、回復したシカたちを野生復帰させています。しかし、中には事故の後遺症で肢を1本失ってしまい奈良公園に戻れないシカたちもいます。
普段みなさんが、奈良公園で3本肢のシカを目にする機会はありませんので、交通事故のシカに対する被害について話を聞いても、なかなか実感がわかないと思います。そこで、奈良の鹿愛護会では、3本肢のシカたちを見ることができるようにシカの愛護月間中、見学通路から見学者が3本肢のシカを実際に見ることができるゾーンを設けています。

この機会に肢を1本失くしたシカたちの声を聞くことによって、少しでも多くの方がシカの交通事故が減るように奈良公園内を車で移動する際はゆっくり注意して走っていただけるようになることを願ってやみません。

秋頃はオス鹿に注意!(発情期)

秋頃は鹿の恋の季節(発情期)です。
この時期のオス鹿は非常に気が荒くなるため特に注意が必要です。
不用意に近づいたり触らないでください。
角があっても、切られていてもオス鹿は力が強く危険です。
また、オス鹿同士がケンカをしている場合は大変危険です。
決して近づかないでください。

奈良の鹿愛護会では、奈良公園の鹿の安全対策として
角鹿(オス鹿)の除角(角きり)を行っています。
鹿の安全とトラブル対策に万全を期していきます。
皆さまのご理解ご協力よろしくお願いします。

啓発看板

鹿せんべいをあたえるときの鹿からのお願い動画更新

奈良の鹿愛護会公式YouTubeチャンネル動画更新しました。
内容は鹿せんべいをあたえるときの鹿からのお願いです。
動画はこちらよりご覧ください。
https://youtu.be/ir8Dzl3Hb8I

奈良公園のシカが好むものに「鹿せんべい」があります。
しかし、これは鹿にとって“おやつ”であり、主食ではありません。
鹿せんべいは主に、植物性の米ヌカで作られています。
砂糖や香辛料などは一切はいっていません。
そのため、鹿は安心して食べられます。
そんな鹿せんべいをあたえるときの鹿からのお願いです。

また、鹿せんべい以外の食べ物は病気の原因になりますので
鹿に与えないでください。

奈良公園の鹿たちのために皆さまのご理解ご協力お願いします。

奈良公園室HP
奈良公園クイックガイド

1歳齢の雌鹿の第一胃からプラスチックごみ!

レジ袋が有料化されて約1年経ちました。奈良公園でプラスチックごみを誤食して死亡する鹿が減ったのでは、と期待する声もありますが、残念なことに昨年7月以降もシカのプラスチックごみ被害は続いているようです。

この写真は7月20日に解剖した1歳齢の雌鹿の第一胃から見つかったプラスチックごみです。重量は約20gでそれほど多くはありません。問題は、このシカが発育状態からみてプラスチック袋が有料化されてから誤食したと思われるということです。

つまり、レジ袋が有料化された後も人が捨てたプラスチックごみをシカが誤って食べてしまう事故は起きているということです。

今回のケースでは、保護した時点でシカはガリガリに痩せており、解剖した結果、病気にかかっていたことがわかりました。しかし、プラスチックごみが第一胃の奥の方に詰まっており、それより先の消化管に食べ物があまり入っていなかったことから、プラスチックごみが食べ物の通過を邪魔して栄養不良となり、死亡に至る原因の一つになったのでは、と推測されました。

現在、奈良公園内のシカだけでなく、海鳥や海洋生物たちも人が捨てるプラスチックごみによって健康被害を受けています。奈良公園内に限らず、プラスチックごみをできるだけ減らす、そしてプラスチックごみは環境中に捨てない社会になってほしいと、死亡した雌鹿を前に思いました。

母子鹿奈良公園デビュー

2021年7月20日(火)鹿苑で保護している母子鹿が奈良公園デビューしました。

鹿苑から母鹿が出ると、その後ろに続いて子鹿ちゃんも奈良公園へ出ます。

子鹿ちゃんたちには初めての奈良公園です。
母鹿の後ろについて一緒に森の中へと歩き始めます。

子鹿ちゃんたちは奈良公園へ出たばかりです。
近づいたり、追いかけたりすると驚いてしまい、
走って道路に飛び出して交通事故にあってしまうこともあります。
奈良公園内で子鹿ちゃんを見かけても、離れて遠くから優しく見守ってください。
皆さまのご協力よろしくお願い致します。
みんな、奈良公園で元気に過ごしてね。

2021年 奈良公園の鹿生息頭数調査結果

2021年7月16日に実施した奈良公園の鹿生息頭数調査結果は次の通りです。

2021年度 生息頭数調査結果(2021年7月16日現在)
奈良公園生息数 1,105頭
オス鹿      217頭
メス鹿      806頭
 子鹿       82頭

調査結果の詳細については奈良の鹿愛護会公式ウェブサイトに掲載予定です。

鹿苑で保護している母子鹿は7月下旬頃に奈良公園にデビュー予定です。
子鹿ちゃんたちには初めての奈良公園になりますので、近づいたり、追いかけたりすると
驚いて走ってしまい、道路に飛び出して交通事故にあってしまうこともありますので、
離れて遠くから優しく見守ってください。皆さまのご協力よろしくお願い致します。

2021年 奈良公園の鹿生息頭数調査

奈良公園内に生息する鹿の頭数調査を行いました。
調査は毎年、7月15日・16日の二日間で行いますが、
7月15日は早朝からの大雨で中止となりました。
7月16日はお天気も回復し無事、調査を行うことができました。
調査は早朝に行い、ボランティア、関係者の方々に協力していただきました。

調査ミーティング
調査風景

頭数調査は複数のコースに分かれ、数え間違いや重複がないように
それぞれ隣のコースと意思疎通を図りながら一頭一頭調査を行います。

調査風景

調査にご協力いただきました皆さまありがとうございました。
調査結果はまた改めてご報告致します。