3本肢のシカたち

奈良公園周辺では毎年数多くのシカたちが交通事故に遭い、約半数が命を落としています。

奈良の鹿愛護会では、交通事故に遭遇したシカたちの治療を行い、回復したシカたちを野生復帰させています。しかし、中には事故の後遺症で肢を1本失ってしまい奈良公園に戻れないシカたちもいます。
普段みなさんが、奈良公園で3本肢のシカを目にする機会はありませんので、交通事故のシカに対する被害について話を聞いても、なかなか実感がわかないと思います。そこで、奈良の鹿愛護会では、3本肢のシカたちを見ることができるようにシカの愛護月間中、見学通路から見学者が3本肢のシカを実際に見ることができるゾーンを設けています。

この機会に肢を1本失くしたシカたちの声を聞くことによって、少しでも多くの方がシカの交通事故が減るように奈良公園内を車で移動する際はゆっくり注意して走っていただけるようになることを願ってやみません。

秋頃はオス鹿に注意!(発情期)

秋頃は鹿の恋の季節(発情期)です。
この時期のオス鹿は非常に気が荒くなるため特に注意が必要です。
不用意に近づいたり触らないでください。
角があっても、切られていてもオス鹿は力が強く危険です。
また、オス鹿同士がケンカをしている場合は大変危険です。
決して近づかないでください。

奈良の鹿愛護会では、奈良公園の鹿の安全対策として
角鹿(オス鹿)の除角(角きり)を行っています。
鹿の安全とトラブル対策に万全を期していきます。
皆さまのご理解ご協力よろしくお願いします。

啓発看板

鹿せんべいをあたえるときの鹿からのお願い動画更新

奈良の鹿愛護会公式YouTubeチャンネル動画更新しました。
内容は鹿せんべいをあたえるときの鹿からのお願いです。
動画はこちらよりご覧ください。
https://youtu.be/ir8Dzl3Hb8I

奈良公園のシカが好むものに「鹿せんべい」があります。
しかし、これは鹿にとって“おやつ”であり、主食ではありません。
鹿せんべいは主に、植物性の米ヌカで作られています。
砂糖や香辛料などは一切はいっていません。
そのため、鹿は安心して食べられます。
そんな鹿せんべいをあたえるときの鹿からのお願いです。

また、鹿せんべい以外の食べ物は病気の原因になりますので
鹿に与えないでください。

奈良公園の鹿たちのために皆さまのご理解ご協力お願いします。

奈良公園室HP
奈良公園クイックガイド

1歳齢の雌鹿の第一胃からプラスチックごみ!

レジ袋が有料化されて約1年経ちました。奈良公園でプラスチックごみを誤食して死亡する鹿が減ったのでは、と期待する声もありますが、残念なことに昨年7月以降もシカのプラスチックごみ被害は続いているようです。

この写真は7月20日に解剖した1歳齢の雌鹿の第一胃から見つかったプラスチックごみです。重量は約20gでそれほど多くはありません。問題は、このシカが発育状態からみてプラスチック袋が有料化されてから誤食したと思われるということです。

つまり、レジ袋が有料化された後も人が捨てたプラスチックごみをシカが誤って食べてしまう事故は起きているということです。

今回のケースでは、保護した時点でシカはガリガリに痩せており、解剖した結果、病気にかかっていたことがわかりました。しかし、プラスチックごみが第一胃の奥の方に詰まっており、それより先の消化管に食べ物があまり入っていなかったことから、プラスチックごみが食べ物の通過を邪魔して栄養不良となり、死亡に至る原因の一つになったのでは、と推測されました。

現在、奈良公園内のシカだけでなく、海鳥や海洋生物たちも人が捨てるプラスチックごみによって健康被害を受けています。奈良公園内に限らず、プラスチックごみをできるだけ減らす、そしてプラスチックごみは環境中に捨てない社会になってほしいと、死亡した雌鹿を前に思いました。

母子鹿奈良公園デビュー

2021年7月20日(火)鹿苑で保護している母子鹿が奈良公園デビューしました。

鹿苑から母鹿が出ると、その後ろに続いて子鹿ちゃんも奈良公園へ出ます。

子鹿ちゃんたちには初めての奈良公園です。
母鹿の後ろについて一緒に森の中へと歩き始めます。

子鹿ちゃんたちは奈良公園へ出たばかりです。
近づいたり、追いかけたりすると驚いてしまい、
走って道路に飛び出して交通事故にあってしまうこともあります。
奈良公園内で子鹿ちゃんを見かけても、離れて遠くから優しく見守ってください。
皆さまのご協力よろしくお願い致します。
みんな、奈良公園で元気に過ごしてね。

2021年 奈良公園の鹿生息頭数調査結果

2021年7月16日に実施した奈良公園の鹿生息頭数調査結果は次の通りです。

2021年度 生息頭数調査結果(2021年7月16日現在)
奈良公園生息数 1,105頭
オス鹿      217頭
メス鹿      806頭
 子鹿       82頭

調査結果の詳細については奈良の鹿愛護会公式ウェブサイトに掲載予定です。

鹿苑で保護している母子鹿は7月下旬頃に奈良公園にデビュー予定です。
子鹿ちゃんたちには初めての奈良公園になりますので、近づいたり、追いかけたりすると
驚いて走ってしまい、道路に飛び出して交通事故にあってしまうこともありますので、
離れて遠くから優しく見守ってください。皆さまのご協力よろしくお願い致します。

2021年 奈良公園の鹿生息頭数調査

奈良公園内に生息する鹿の頭数調査を行いました。
調査は毎年、7月15日・16日の二日間で行いますが、
7月15日は早朝からの大雨で中止となりました。
7月16日はお天気も回復し無事、調査を行うことができました。
調査は早朝に行い、ボランティア、関係者の方々に協力していただきました。

調査ミーティング
調査風景

頭数調査は複数のコースに分かれ、数え間違いや重複がないように
それぞれ隣のコースと意思疎通を図りながら一頭一頭調査を行います。

調査風景

調査にご協力いただきました皆さまありがとうございました。
調査結果はまた改めてご報告致します。

2021年子鹿公開~赤ちゃん鹿大集合!~(終了しました)

2021年6月30日(水)をもちまして、特別公開 子鹿公開~赤ちゃん鹿大集合!~は
無事終了いたしました。ご来場いただいた皆さま本当にありがとうございました。

また6月は天然記念物「奈良のシカ」愛護月間です。
奈良公園で子鹿を見かけても近寄らず離れて優しく見守ってください。
病気の原因となりますので鹿せんべい以外は鹿に与えないでください。
また鹿が間違ってゴミを食べてしまいますのでゴミは必ず持ち帰っていただくようにお願い致します。
鹿が道路に急に飛び出してくることがありますのでドライバーの皆さまは、鹿に優しい安全運転をお願い致します。
皆さまのご協力よろしくお願い致します。

3本肢母鹿の子育て日記①

今から2年前の4月、この雌鹿は右の後ろ足を交通事故で失いました。

その時、妊娠していましたが、その年に生まれた子鹿は死産でした。
しかし、その後昨年に続いて今年も出産しました。肢は3本ですが、それ以外は全く問題ありません。若雄たちが無作法な態度をとると、パクリと咬んで叱っています。
こちらが今年の5月25日に生まれた子鹿です。きりっとした目つきでこちらを見つめています。

まだ生まれて1ヶ月足らずですが、だいぶ体つきがしっかりしてきました。鹿苑内を元気に駆け回ることもあります。
なぜかこの親子は別々に過ごすことが多く、いっしょにいるところを見かけることはめったにありません。でも子鹿はすくすく大きくなっているので、お母さん鹿は私たちが見ていないところできちんと子育てしているのでしょう。
今年はコロナウイルスの関係で奈良公園に来るのが難しい人たちのために、子鹿の成長記録とお母さん鹿の様子をお伝えしたいと考えています。

単独で眠る子鹿

子鹿の出産ラッシュが始まりました。
奈良公園内でも、産まれて間もない子鹿を見かけるかもしれません。
そんなとき、近くに母鹿がおらず子鹿が一匹でスヤスヤ眠っていると、
大丈夫かと心配になる人もいます。
私たちは、子鹿と母鹿は常にいっしょにいるものと考えがちですが、
実際はそうでもありません。
子鹿と母鹿は別行動で、1日何回か授乳のときに行動を共にします。
鹿苑内で生まれた子鹿を観察すると、産まれて2,3日の間は影に隠れて
よく眠っています。

そして1週間くらい経つと、活発に動き回るようになります。
自然界では、産まれてすぐ歩き回ることは、足元がおぼつかない子鹿にとって
危険なため、ある程度走れるようになるまではじっとしているのかもしれませんね。

ですから、子鹿が一匹でいるからといって、どうか心配しないでください。
産まれてすぐのため、お昼寝しているだけかもしれません。
そっとしておいてあげてください。