気を付けよう!鹿の交通事故。

このブログを読んでいる皆さんは、奈良公園内の道路を車で通るとき、鹿が車に当たらないように気を付けて走ってくださっていると思います。実際、奈良公園で鹿の交通事故が多いことはよく知られていますが、実は奈良公園の周辺でもよく鹿が車で引かれている場所があります。それが奈良から三重の名張へつながる県道80号、いわゆる「奈良名張線」です。

といわれても「?」という方も多いと思いますので、写真を交えて簡単に説明しますね。

ここはバスも通っている奈良教育大学の前の道ですが、この道路を南に直進すると、左手にセブンイレブンとキリン堂の看板が見えてきます。

ちなみに白い鹿の絵が描かれた緑の車は、奈良の鹿愛護会の車です!

セブンイレブンの看板と高畑診療所の間の道を左折すると名張線に入ります。

名張線に入ってしばらくすると、民家はまばらになりゆるい上りのカーブが続きます。

この辺りから道のすぐ横は林になっており、こういった林の中に鹿が隠れていることがあります。

場所によっては林から鹿が一歩道に出ると、歩道はほとんどないため、車がそこへ走ってきたら鹿は車にはねられてしまいます。特にドライバーから鹿の姿がよく見えない夜間・早朝は、交通事故がよく起きています。

道路の横には深い溝があり、そこに交通事故にあった鹿が溝にはまって出られなくなっていることがよくあります。普段なら難なく出てこられる深さですが、車に当たった衝撃で大けがを負っている鹿に自力で這い上がる力は残っていないのです。

この道の先のようにカーブで見通しが非常に悪くなっている場所も要注意です。カーブを曲がったところを鹿が横断してきて、鹿をひきそうになったことが一度ありました。

この広い上り坂(下りも)でも鹿の交通事故はよく起きています。道が広いので、車はスピードを出して走っていることが多く、うっかり車道に出てきたシカがひかれてしまうのでしょう。以前に、この坂の途中で子鹿がひかれて死んでいるのを見ました。

坂を上り切った先は、くねくねとしたカーブが続きます。ここでも夜に一度、交通事故に遭ったばかりの若い雄のシカを見たことがあります。このシカは奈良の鹿愛護会で保護しましたが、背骨を骨折しており、交通事故から2週間ほど後に死亡しました。

名張線で車にひかれるシカは、ほぼ100%が重症で、死亡する確率が非常に高いのが特徴です。おそらく車がスピードを出して走っているからなのと、ドライバーがまさかこの道にシカが現れるとは思っていないからでしょう。

最後に奈良名張線で注意が必要なのは、鹿だけではありません。まれにですが、歩行者や自転車を見かけることもあります。名張線では鹿だけでなく、人にもやさしい運転をお願いします。

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両前足の骨折にも負けず!

この小さい雄鹿は、昨年8月末に奈良地方裁判所の前で交通事故に遭い、倒れているところを保護しました。

当時、両前肢を開放骨折(骨が皮膚を破って出ている状態)して、ひどい状態でした。

鹿の場合、2本以上の肢を骨折すると9割近くが命を落とします。鹿たちは、立ち上がれなくなるとエサを食べなくなり、弱って死んでしまうのです。

しかし、この鹿はがんばりました。最初は後ろ足を使って、なんとか移動し、ひと月後にはほんの数分間ですが4本肢で立つようになりました。

その後、傷口が化膿したり、貧血になったりと、いろんな問題が起きましたが、なんとか乗り越えてきました。今では4本肢で走れるまでになりました。

これが現在の肢の傷跡です。傷はだいぶ小さくなりました。

骨折した部分は、新しい骨ができたので、元の肢よりだいぶ太くなりました。傷口のところに新しい毛が生えてくるかはわかりませんが、生活するのに支障はありません。

かさぶたが取れたら、奈良公園に放せそうです。みなさんが将来この鹿を公園内で見かけたら、温かく見守ってあげてくださいね。

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奈良公園の鹿の交通事故
鹿たちが直面しているさまざまな危機のひとつに、車との交通事故があります。
奈良公園を走行される際には、慎重かつ安全運転をお願いいたします。
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1頭去ってまた1頭

シカは集団で生活する生き物です。進行方向はみんなといっしょ、前にいるシカが走っていたら自分も走るといった具合です。
鹿苑内にいるシカたちも食べるときはみんなといっしょです。

みなさんの中には、奈良公園で鹿せんべいを1頭のシカに与えたら、次から次へと他のシカたちがやってくるのを体験したことがある人もいるのではないでしょうか。シカは周りにいる他のシカたちの動きを見ていないようで、よく見ています。1頭のシカが鹿せんべいをもらっているのを見つけると、すぐ近くにいるシカたちが気づいて鹿せんべいに向かってやってきます。そうすると、もっと遠くにいるシカたちが鹿せんべいに群がっているシカたち(鹿せんべいには気づいていないかもしれない?!)に気づいてやってくるのです。
しかし、このように群れで行動することで、思わぬ災難に見舞われることがあります。
奈良の鹿愛護会で治療しているこの雌鹿は、奈良公園近郊で車にひかれました。

車を運転していた人の話によると、1頭のシカが道を横切るのを見届けたので、特に車を減速せずに時速50キロくらいのスピードで走っていたら、別のシカが道を横切ろうとして、当たってしまったとのこと。
幸い人と車は無傷でしたが、このシカは左前肢を骨折し、右後ろ足に大きな裂傷、顎も折れており、立ち上がることはおろか、エサを満足に食べることもできません。残念ながらこの先元気になる見通しが立っていない状態です。
車の運転中に奈良公園やその周辺でシカが道を渡っているのを見かけたら、もちろんそのシカに注意して運転することは必要ですが、そのシカが通り過ぎたからと言って一安心するのは禁物です。なぜならシカの習性上、別のシカが後をついて道に現れる可能性があるからです。ぜひ道の両脇にシカがいないか確認しつつ、ゆっくり運転しましょう。ドライバーのみなさん、シカにやさしい運転をよろしくお願いします。

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国の天然記念物「奈良のシカ」愛護月間最終日

11月は国の天然記念物「奈良のシカ」愛護月間です。
奈良の鹿愛護会では、毎年6月・11月を「奈良のシカ」愛護月間と定め、
生態などについての知識、正しい接し方や鹿愛護への理解を深めることを目的に、
奈良公園の鹿の愛護啓発を広く呼びかけています。

愛護月間では、奈良公園の鹿の愛護啓発等を実施しました。
奈良県・奈良警察署様と合同で交通安全啓発活動

奈良県、奈良公園事務所、奈良市、鹿サポーターズクラブ様の協力で奈良公園浮雲園地、
登大路園地、奈良公園バスターミナル屋上で募金、啓発活動

奈良県、奈良公園事務所、奈良市、一般社団法人奈良市手をつなぐ親の会・奈良美鹿の会、
鹿サポーターズクラブ様の協力で奈良公園の鹿の生息環境保全活動、ゴミ投棄防止のための
啓発と清掃活動(クリーンアップならディアパーク2021)

奈良公園の鹿の交通事故防止対策として鹿の警戒標識・反射鏡の点検、清掃

1年間に亡くなった鹿の慰霊祭、鹿まつり

ご支援ご協力いただいた皆さま本当にありがとうございます。
奈良公園に生息している鹿は1000年以上前から生息している野生動物です。
人と鹿の共生は世界でもここしかありません。
引き続き、国の天然記念物「奈良のシカ」の保護愛護に
ご支援ご協力よろしくお願い致します。

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治療見学ツアー、無事終了

11月9日、18日、25日に行われた治療見学ツアーが無事終了しました。
参加者の皆様、お疲れさまでした。また、お申込みされたにもかかわらず、
定員に達したためご参加できなかった皆様、ご希望に沿えなくて申し訳ありません。
このツアーは今後も継続していく予定ですので、機会がございましたらぜひご参加ください。
今回参加された方は、奈良県およびその近郊にお住まいの方が多数を占めていましたが、
中には九州、東京、和歌山などから来られた方もいました。
みなさん、鹿に対する熱い思いにあふれていました。
こちらがツアーの様子です。

獣医師が鹿の治療方法について説明しています。(11月9日)
職員が麻酔をかけるときに使う道具の説明をしています。(11月25日)
これから治療する鹿に麻酔をかけるところを見学しています。(11月25日)
実際に治療を行っているところを見学中です。(11月18日)

今回の治療見学ツアーでは、ツアー当日交通事故で運び込まれた鹿が重傷のため
治療の甲斐なく死亡してしまったり、治療が終わる直前に鹿が麻酔から覚めそうになって
動き始めたり、予期せぬ出来事がいろいろ起こりました。
そんな中、参加者からは「実際の治療を見ることができてよかった」とのお声を多数
いただき安堵しました。また「治療する大変さがわかった」とのご感想を述べて
くださる方もおられ、常に緊張しながら治療している身からは嬉しく感じました。

今後とも奈良の鹿と奈良の鹿愛護会へのご支援、よろしくお願いします。

鹿まつり(慰霊祭)を執り行いました

2021年11月20日(土)10時より、鹿まつり(慰霊祭)を執り行いました。

鹿まつりは毎年、11月20日に執り行い、春日大社の神職様によって
慰霊詞を奏上していただき、1年間に亡くなった鹿を鹿塚に合祀します。

奈良の鹿愛護会役員、会員、計49名の方々にご拝礼いただきました。

鹿まつりでは奈良公園の鹿のゴミ問題についてもお話をさせていただきました。
鹿たちをゴミの誤飲から守る為に皆さまのご協力よろしくお願いいたします。

ご臨席いただいた皆さま、お供えいただきました皆さま
鹿たちのために本当にありがとうございました。
亡くなった鹿たちが安らかに眠ることができますように。

保護活動は皆さまからのご寄付や
募金によって支えられています。
どうぞご支援をよろしくお願いいたします。

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【愛護月間】交通事故防止!警戒標識・反射鏡点検清掃活動!

11月は国の天然記念物「奈良のシカ愛護月間」です。
愛護月間啓発活動の取り組みで、奈良公園の鹿の交通事故防止のために
鹿の警戒標識・反射鏡の点検、清掃を行いました。

奈良公園は国の天然記念物「奈良のシカ」の生息地です。
野生動物である鹿たちは道路に急に飛び出してくることがあります。
そして、その中でも「鹿の飛び出し注意」の標識・反射鏡がある場所では
鹿がよく道路を横断する場所です。

奈良公園を走行される時には、いつ鹿が飛び出してきても止まれるように
鹿にも人にも優しい運転をお願いいたします。
皆さまのご理解ご協力よろしくお願いいたします。
「ゆっくり走って守ろう、奈良のシカ」

クリーンアップならディアパーク 奈良公園清掃活動!

11月は国の天然記念物「奈良のシカ」愛護月間です。
奈良公園に生息する国の天然記念物「奈良のシカ」の生息環境保全活動として、
ゴミ投棄防止のための啓発と清掃活動、クリーンアップならディアパーク2021を行いました。
奈良県、奈良公園事務所、奈良市、一般社団法人奈良市手をつなぐ親の会・奈良美鹿の会、
鹿サポーターズクラブの皆さまに参加協力していただきました。

清掃活動では5キロのゴミを奈良公園から回収しました。

奈良公園には、鹿の誤飲事故を防ぐためにゴミ箱が設置されていません。
パンフレットなどの紙類、ポリエチレン袋などをむやみに捨てると、
食べ物と勘違いして食べてしまいます。
その結果、これらが胃の中にたまり、さまざまな病気の原因となります。

大切な鹿の生息環境を守るために、ゴミをむやみに捨てたりせず必ず、
持ち帰るようにして下さい。
また、気がついたら、ゴミもできるだけ拾うようにしてください。
皆さまのご協力よろしくお願いします。

清掃活動にご協力いただいた皆さま本当にありがとうございました。

天然記念物「奈良のシカ」愛護月間啓発活動!

11月は国の天然記念物「奈良のシカ」愛護月間です。

奈良県、奈良公園事務所、奈良市、鹿サポーターズクラブの皆さまの
ご協力で奈良公園浮雲園地、登大路園地、奈良公園バスターミナル屋上で
募金、啓発活動を行いました。

奈良の鹿愛護会では鹿たちの発情期にあたる11月を
「奈良のシカ愛護月間」として、鹿の生態や、
正しい接し方についての啓発活動を強化しています。

また、秋は、鹿たちの発情期です。
オス鹿は複数のメス鹿を囲い込んでハーレムをつくります。
オス鹿同士ケンカをしているときには、危険ですので絶対に近づかないで下さい。
角がある鹿だけでなく、すでに角が切られている鹿も危険です。
頭突きをしてくることがあります

「奈良のシカ」は野生動物です。
オス鹿・メス鹿、関係なく鹿せんべいを与える時などは、
突然噛んだりしてくることもありますので十分ご注意ください。
皆さまのご理解ご協力よろしくお願い致します。

今回の募金、啓発活動では34,246円集まりました!
集まった募金は全て奈良のシカの保護に活用させていただきます。
募金、啓発活動にご協力ご支援いただいた皆さまありがとうございました。

3本肢のシカたち

奈良公園周辺では毎年数多くのシカたちが交通事故に遭い、約半数が命を落としています。

奈良の鹿愛護会では、交通事故に遭遇したシカたちの治療を行い、回復したシカたちを野生復帰させています。しかし、中には事故の後遺症で肢を1本失ってしまい奈良公園に戻れないシカたちもいます。
普段みなさんが、奈良公園で3本肢のシカを目にする機会はありませんので、交通事故のシカに対する被害について話を聞いても、なかなか実感がわかないと思います。そこで、奈良の鹿愛護会では、3本肢のシカたちを見ることができるようにシカの愛護月間中、見学通路から見学者が3本肢のシカを実際に見ることができるゾーンを設けています。

この機会に肢を1本失くしたシカたちの声を聞くことによって、少しでも多くの方がシカの交通事故が減るように奈良公園内を車で移動する際はゆっくり注意して走っていただけるようになることを願ってやみません。