「奈良のシカ」のゴミ問題について

残念なことに、またしてもプラスチックごみをお腹に詰まらせたのが原因で1頭のシカが命を落としました。まだ6歳の若い雄シカです。
プラスチックごみを食べなければ、もっと長生きできたはずなのに…
保護したときはガリガリで、立ち上がる元気もありませんでした。
そして翌日、息を引き取りました。
こちらがそのシカの胃から出てきたプラスチックごみの写真です。

今でも奈良公園内にはプラスチックごみがたくさん落ちています。
どうかごみが落ちていたら拾ってください。
皆さんの行動が鹿の命を救うことに繋がります。
鹿たちのためにみなさんのご協力お願いします。
獣医師

ポスターコンクール作品展示

本日より、奈良市役所にて

「第15回国の天然記念物奈良のシカ保護啓発ポスターコンクール」の

入選・入賞作品の展示を行っております。

このポスターコンクールは「奈良のシカ」の保護啓発を目的に小学生を対象に募集しているものです。

展示期間が短いので、皆様お見逃し無く!

日時 12月24日(火)~12月27日(金)

場所 奈良市役所市庁舎玄関ギャラリー

〒630-8580 奈良市二条大路南一丁目1-1

(展示時間 8:30~17:15)

治療中の鹿について

鹿苑にいるこの雄鹿の左前肢をみてください。

「く」の字の形に曲がっています。

この鹿は、交通事故で左前肢を骨折しました。
幸い命に別状はなく、骨折も治りましたが、
後遺症で骨が曲がってしまいました。

骨折したところは、きちんとくっついているので、
特にこれ以上治療の必要はありません。
歩き方は少しぎこちないですが、生活する上で問題ありません。

今後、この鹿を奈良公園に放す予定です。
みなさん、この鹿を見かけても、前肢は大丈夫ですので、
そっとしておいてあげてくださいね。

獣医師

【おねがい】不幸な子鹿を増やさないために…

この鹿は交通事故に遭ってから約3週間、頑張って生きていましたが、先週末、ひっそりと息を引き取りました。まだ生後約5か月の雄の子鹿です。

この子鹿が車にひかれたのは、奈良県庁前の道路です。

ここは、鹿が交通事故に遭遇することが多い場所です。

車の量も多く、「まさか道路に鹿が出てくるとは」と驚く方も多いと思います。

しかし、2018年には、この近辺で18頭の鹿が交通事故に遭い、うち4頭の鹿が命を落としています。

写真の子鹿は、車にひかれたことにより、後ろ足を動かすことができなくなってしまいました。前足は動かせるので、懸命に立ち上がろうとしましたが、ついに一度も自力で立つことはかないませんでした。

今月は鹿の愛護月間です。

かけ声だけで終わらないためにも、ドライバーのみなさん安全運転をお願いします。

そして、今後の事故防止のため、交通事故を見かけた方はどのような状況だったのか、奈良の会愛護会まで連絡くださると助かります。

クリーンアップならディアパーク2019【一斉清掃活動】秋編

国の天然記念物「奈良のシカ」が暮らす奈良公園内の清掃及びゴミ捨て禁止の啓発を目的として【クリーンアップならディアパーク2019】を行いました。総数90名の皆様にご参加いただき、奈良公園一帯を清掃しました。

「奈良のシカ」の生息環境保全のために広大な奈良公園を一生懸命、清掃していただきました。

プラスチックゴミや可燃ゴミ、ペットボトルなど色々なごみが回収されました。
本日のクリーンアップならディアパーク2019では、50キロのゴミを奈良公園から無くすことができました。
【ゴミ収集の内訳】
 ●資源ゴミ(ペットボトル等)  21.0kg
 ●不燃ゴミ(プラスチックゴミ等)20.0kg
 ●可燃ゴミ(紙類)        9.0kg  合計 50.0kg

この活動を通して、合計 ”約120kg” のゴミを回収しております。
 国の天然記念物「奈良のシカ」の生息環境を守る為にも、
今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。


ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

キレイになったな!

11月は「奈良のシカ」愛護月間です。

奈良の鹿愛護会では、鹿たちの発情期にあたる11月を「奈良のシカ」愛護月間として、鹿の生態や、正しい接し方についての広報活動を強化しています。
鹿の交通事故防止活動として奈良公園道に設置されている、
鹿の警戒標識・反射鏡の点検、清掃活動を行いました。


奈良公園内は国の天然記念物「奈良のシカ」の生息地です。
車を走行される時は鹿が飛び出してきても止まれるように
安全運転をお願いします。
交通事故にあってしまう鹿がいなくなるように
皆さまのご協力お願いいたします。

秋は、鹿たちの発情期です。
オス鹿は複数のメス鹿を囲い込んでハーレムをつくります。
オス鹿同士ケンカをしているときには、危険ですので絶対に近づかないで下さい。角がある鹿だけでなく、すでに角が切られている鹿も危険です。
頭突きをしてくることがあります。
「奈良のシカ」は野生動物です。オス鹿・メス鹿、関係なく鹿せんべいを与える時などは突然噛んだりしてくることもありますので十分ご注意ください。

鹿の愛護を呼びかける国の天然記念物「奈良のシカ」保護啓発ポスターコンクールのついてはこちらをご覧下さい。

11月9日(土)に鹿の生息環境保全活動として
クリーンアップならディアパーク2019を行います。
詳しくはこちらをご覧下さい。

【11/9(土)実施!】クリーンアップならディアパーク2019

《日時》2019年11月9日(土)10:00開始~13:00終了
※受付時間9:45~11:30 随時受付/解散
 清掃ボランティアとして皆様にご協力いただければ、もっと鹿たちの生息地である奈良公園がきれいになります。ぜひともご参加ください。

実習生がきました。

はじめまして!北海道大学獣医学部3年の馬杉です。今回9/2から2週間ほど実習生としてスタッフの皆さんのお手伝いをさせていただいています。

身近に生息する野生動物がそれらと共生するために関わり、必要なときには治療などを行うという奈良ならではの貴重な体験ができて、毎日とても充実した楽しい実習をさせてもらっています!

私は近鉄奈良駅から25分ほど歩いて事務所まで来ているのですが、その途中にたくさんの鹿や観光客とすれ違います。まだ観光客の少ない朝はすれ違う人の数より鹿の数の方が多く、のんびりしている鹿たちを眺めながら歩くと朝から癒やされた気分になります。

そんな道中に何度か見かけた印象的な光景の1つが、鹿が道路を渡るのを自動車が徐行したり停止したりして待っている、というものです。観光客はその様子を喜んで写真に収めようとしていましたが、きっと運転手の方は危ないとヒヤヒヤするし急ぎたい気持ちもあるでしょう。なのに誰もクラクションを鳴らしたりせずに温かく見守る光景は本当に素敵でした。そしてそれが1度ではなく、何度も見られて心が温かくなりました。

その一方で交通事故が増えている現状があることも今回の実習で実感しました。

私は獣医師の先生の治療をお手伝いさせてもらう機会が多いのですが、治療する鹿のほとんどが交通事故による骨折やケガで運ばれてきたものです。また実際にケガの通報で運ばれてくる鹿も何頭かいて、治療しました。

まだ治療中の鹿は鹿苑内で保護していますが、数日見ていただけでも座ったままだったのが立って歩くようになったり、脚を上げて歩いていたのが着くようになったり、傷口が塞がっていたり、治療の効果実感できる機会が何度もありました。また私にはわかりませんでしたが、先生曰く食べるエサの量や肉付きでも元気になってきてるか判断できるそうです。

自然界では歩けないまま放置されれば死んでしまいますが、ここで元気になって野生復帰の準備をしているのを見ることができて嬉しい気持ちになり、とても安心しました。

先生に話を聞くと、骨折が治るのには早くても2~3週間必要で、中には普通に歩くまで数ヶ月かかったり傷口から感染症にかかってしまうものもいるそうです。また野生の鹿ですから、治療だってどうしても負荷がかかってしまいます。

治療できるとはいえ、やはり鹿が交通事故の被害に遭わないのが一番だと思います。

愛護会では道路標識の設置などの取り組みもしていますが、あの静かに鹿の道路横断を見守ってくれていた運転手さんたちのように気をつけてくれる人が少しでも増えてくれればいいなと思いました。

少しでも交通事故で運ばれてくる鹿が減りますように!

そしてここで治してもらった鹿たち、もう運ばれてこないように気をつけて元気に過ごしてね!

奈良ローターアクトクラブ様の活動

世界最初の奉仕団体・国際ロータリーが18~30歳の男女を対象にし、
奉仕を通じて親睦を図る機会を提供する「ローターアクトクラブ」。

1984-85年度から毎年開催する全国統一奉仕活動日「アクトの日」として、
奈良県下の4つのローターアクトクラブ(奈良・大和郡山・橿原・大和高田ローターアクトクラブ)は、
世界遺産の社寺が広がる奈良公園で「奈良のシカ」の保護を目的にクリーンパトロールを実施されました。

当日は、春日大社境内「飛火野」で「なつの鹿寄せ」と、
「奈良のシカ」保護施設「鹿苑」を見学され、
奈良の鹿愛護会スタッフから鹿の現状をお話ししました。

その後は「奈良のシカ」をゴミの誤飲から守るため、
皆様で一斉にゴミ拾いをしてくださいました。

活動にご参加いただきました皆様、
関係者の皆様に心より御礼を申し上げます。

奈良のシカも熱中症?

最近、雨が降って少しすずしくなりましたが、
少し前までは非常に暑かったですね。
とても暑かった時の話です。奈良の鹿愛護会では、奈良公園内で立ち上がろうとしても、立てないメス鹿を保護しました。特に痩せているわけでもなく、交通事故にあったようにも見えず、最初は原因がよくわかりませんでした。
そこで、血液を採って、奈良の鹿愛護会に協力してくださる、あやめ池動物病院で調べてもらったところ、腎臓の数値が非常に高いことがわかりました。
そこでピンときたのが、熱中症。
おそらく暑い中、十分な水分を取らずに脱水が進み、腎不全を起こしていたのだと思います。
幸い、体を濡れタオルで冷やして、点滴を集中的に行った所、1週間後にはこの通り、元気になりました。そして昨日元気に奈良公園に帰っていきました。

水をしっかり飲むんだよ♪
獣医師