11月は国の天然記念物「奈良のシカ」愛護月間です

奈良の鹿愛護会では、毎年6月・11月を「奈良のシカ愛護月間」と定め、
奈良公園来訪者などへの周知啓発を目的に天然記念物「奈良のシカ」を守る様々な啓発活動を行います。

【奈良のシカ愛護月間の主な活動】

1.奈良公園の鹿の交通事故防止活動
日時:令和2年11月2日(月)13時~15時※雨天決行
場所:奈良公園道
内容:鹿の警戒標識・反射鏡の点検、清掃活動

標識清掃(昨年)

2.奈良のシカ保護啓発パネル展示
日時:令和2年11月6日(金)~11月16日(月)
場所:奈良公園バスターミナル内

パネル展示(昨年)

3.保護啓発活動・募金活動
日時:11月中
場所:奈良公園等
内容:巡回パトロール、チラシ配布及び募金活動等



4.鹿まつり(慰霊祭)
日時:令和2年11月20日(金)10時執行
場所:鹿苑角きり場

5.第16回国の天然記念物「奈良のシカ」保護啓発ポスターコンクール
コンクールについては>>>こちらをご覧ください

表彰式(昨年)

6.「みんぱく秋まつり」どんぐりツアー&ラリー
日時:令和2年11月23日(月祝)10時~16時※荒天中止
場所:大和民族公園
共催:奈良県立民俗博物館
内容:大和民族公園内でどんぐりの解説と収集、鹿の生態や保護活動を紹介
くわしくは>>>こちらをご覧ください

坂の上のシカ

先日、奈良のシカの交通事故を目撃した方から、シカの交通事故を防ぐために車を運転する際、私たちが気を付ける場所について、有益な情報をいただきました。みなさんにもお知らせします。

近鉄奈良駅から県庁にかけて東に向かう道は車線が多く、車は結構スピードを出して走っています。

この道は緩やかなカーブを描いた坂道となり、県庁へ続いています。

こうして見ると、カーブを上り切った先にシカがいても、非常に気づきにくいことがわかりますね。

さらに道沿いにはたくさんの看板があり、看板のかげに隠れていたシカが不意に車道にとび出してきたらと考えただけで、ひやひやします。

県庁前の道路です。ここも交通事故で多くのシカが命を落としました。

秋に入って、今年生まれの子鹿も交通事故に遭遇しています。みなさん、どうぞシカにやさしい運転をお願いします。

奈良公園での角きり⑤(非公開)

8月31日、9月1日も奈良公園内において、人とのトラブル防止のため角鹿(オス鹿)の除角を、奈良の鹿愛護会スタッフが緊急対応で行いました。当会としては、引き続き鹿の安全とトラブル対策に万全を期していきます。

※角が切られていてもオス鹿は力が強く危険です。

※オス鹿同時がケンカをしている場合は大変危険です。決して近づかないでください。

写真のような角があるオス鹿は大変危険です。
奈良公園で見かけても、決して近づかないでください。

獣医師コラム 鹿のプラスチックごみ誤食

ここ数年にわたって、奈良の鹿のプラスチックごみの誤食について調べてきました。そこで、これまでにわかったことを簡単に述べたいと思います。
まず、奈良の鹿のおよそ3頭に2頭は、胃の中にプラスチックごみが入っています。プラスチックごみの量は、数百グラム程度から3キロ以上まで様々です。
本来、鹿は草や葉などを主食とする草食動物です。それなのになぜ、レジ袋などのプラスチックを食べてしまうのでしょうか?それには、人間との関わりが大いに関係します。
奈良公園内では、鹿にしかせんべい以外の食べ物を与えることは禁止されていますが、おかしやパンなどの人の食べ物を与える人が、残念ながらいます。こういった食べ物を鹿に与えると、鹿は本来自分たちの食べ物ではない人の食べ物をえさと認識するようになります。そして、鹿はお菓子やパンの入ったレジ袋ごと食べるようになり、さらにはお菓子やパンの匂いがついたレジ袋さえも食べるようになります。
では、プラスチックごみは一体鹿の健康にどのような影響を与えるのでしょうか?これはゴミの量によります。例えば、数枚のレジ袋が胃の中に入っているだけであれば、それによって鹿の健康状態がすぐに悪くなることはそれほどありません。
しかし、ごみの量が数キロ以上だとどうでしょうか?その場合は、鹿の命を脅かすことにつながります。
私たちのところで保護した鹿の中で、プラスチックごみが直接の死因と推定される鹿の胃の中には、2.6キロ以上のプラスチックゴミの塊が入っていました。これだけ多くの異物が胃の中を占拠していれば、当然草などの本来の食べ物が入る隙間はありません。こういう鹿は、えさを食べることもできなくなり、ガリガリにやせ細って死んでいきます。
ところが、プラスチックごみは、さらに悪さをすることがわかってきました。今年に入って見つかった事例では、プラスチックごみが胃の中でつまったことで、急に胃内にガスが大量発生し、それが肺を圧迫して息が止まってしまった雄鹿がいました。見たところ、それほどやせてはいなかったので、急に具合が悪くなり、そのまま亡くなったのでしょう。その鹿の胃には、3.2キロのビニールが詰まっていて、胃の出口をふさいでいました。
また、今年交通事故で保護された若い雄鹿は、左後ろ肢を骨折していました。鹿が交通事故で骨折することはよくあります。骨折の程度にもよりますが、この鹿の骨折の場合はそれほどひどい状態ではなかったので、適切に治療すれば骨折はいずれ治るだろうと考えていました。ところが、事故の数日後に死んでしまったのです。
単純な骨折が理由で死ぬのは、どうもおかしいと感じたため、解剖を行いました。すると胃の中から3.6キロものプラスチックごみが見つかったのです。この鹿の場合、交通事故に遭うまでは、これだけの量のプラスチックごみが体内にあっても、なんとか生きてこられたのでしょうが、交通事故による骨折という悪い要因が重なって一気に全身状態が悪化しそのまま死亡してしまったと思います。

プラスチックごみも交通事故も人間が引き起こしたことです。こういう不幸な鹿が後を絶たないことについて、私たちは真剣に向き合っていかなければならないと思います。まずは、人の食べ物を鹿に与えないこと、そして奈良公園にごみを捨てないことです。私たち一人ひとりが気を付けることによって、鹿が安心して暮らせる奈良公園にしていきましょう。

美鹿パトロール隊の活動報告

国の天然記念物「奈良のシカ」の生息環境を良くするため
奈良公園の美化活動を行っている「美鹿パトロール隊」の活動報告です。
【活動報告 5月・6月・7月】
5月:ゴミ等回収量 250.67キロ
6月:ゴミ等回収量 261.83キロ
7月:ゴミ等回収量 280.08キロ

鹿たちをプラスチックゴミ類等の誤飲から守るために
ゴミの持ち帰りや奈良公園で落ちているゴミを見つけたら
拾っていただけるよう、皆さまのご協力よろしくお願いします。

母子鹿奈良公園デビューと寄付をいただきました。

2020年7月20日(月)鹿苑で保護している母子鹿の一部が
奈良公園デビューしました。デビューに併せてバンビシャス奈良様と
エニタイムフィットネス様より鹿のためにご寄付をいただきました。
バンビシャス奈良様はチームキャラクターの「シカッチェ」さんも
来てくれました。昨年からのレギュラーシーズンの間、飲食ブースの1品
売上の1円を鹿苑エサ代としてご寄付いただきました。
エニタイムフィットネス様はバンビシャス奈良様とのコラボチャリティー
ブースにて、ローイングエルゴマシーンを20秒漕いで、1メートル1円を同
様のエサ代としてご寄付いただきました。

寄付贈呈式のあと、デビューの合図で
母鹿と子鹿が奈良公園へとデビューしました。

子鹿ちゃんたちは初めての奈良公園です。
お母さん鹿の後ろについて鹿苑から出て行きます。

鹿苑近くでお母さん鹿とうろうろしていましたが、
しばらくすると一緒に森へと歩き始めました。
子鹿ちゃんたちは奈良公園に出たばかりで
近づいたり、追いかけたりすると驚いて走り、道路に飛び出して交通事故に
あってしまうこともありますので、遠くから優しく見守ってくださいね。
みんな、元気に奈良公園で過ごしてね。

バンビシャス奈良様、「シカッチェ」さん、エニタイムフィットネス様
鹿たちのためにご支援本当にありがとうございました。

子鹿ちゃんだより40

子鹿ちゃんだより40

7月14日の子鹿ちゃん

この日は熱心に子鹿の毛繕いをする母鹿の様子が見られました。

首や脚の付け根以外にも耳や目の周りも熱心に毛繕いしていました。

今度はそれぞれ自分で毛繕い。子鹿も自分で出来ます。

母鹿は他の母鹿にも毛繕いしていました。

私たちの活動は、多くの皆様のご支援によって支えられています。 「奈良の鹿愛護会」に、ぜひご入会くださいますようお願い致します。 ご入会のお申し込みはこちら

あなたの、「鹿たちへの思い」が「奈良のシカ」を守ります。WEBからのご寄付はこちら

子鹿ちゃんだより39

子鹿ちゃんだより39

7月10日の子鹿ちゃん

子鹿たちも成長してきて隠れることが少なくなってきました。

子鹿だけで居たり、大人の鹿と一緒に居たりします。

以前はよく使っていた隠れ家も今は空室が目立ちます。

一方で数は減ったものの出産はまだ続いており、鹿苑にも最近生まれたまだ小さな子鹿(左)も居ます。右側の子鹿と比べて小さいですね。

今日も奈良公園で子鹿が産まれているという連絡がありました。

引き続き、子鹿を見かけても近寄らずにそっと見守っていただけるようお願い致します。

私たちの活動は、多くの皆様のご支援によって支えられています。 「奈良の鹿愛護会」に、ぜひご入会くださいますようお願い致します。 ご入会のお申し込みはこちら

あなたの、「鹿たちへの思い」が「奈良のシカ」を守ります。WEBからのご寄付はこちら