今年も生草(なまくさ)募集!

そろそろ若葉の季節に入ってきました。お庭の草刈りや庭木の剪定をそろそろ考えていらっしゃる方も多いかと思います。みなさんは刈ってしまった雑草や切り落とした木の葉など、ごみとして処分されるのでしょうか?もしお手間でなければ鹿苑で保護している鹿たちのためにもってきていただけると助かります。

鹿苑内には現在300頭以上のシカを保護しています。その中には、奈良公園内の妊娠鹿、交通事故などで治療中の鹿などがいます。これらの鹿には牧草を中心に与えていますが、野生動物である奈良のシカは、本来地面に生えている草、落ちている木の葉を食べて生活しています。ですから、シバ、ヨモギ、タンポポ、クローバーなど私たちがよく目にする草は喜んで食べます。また、桜、楓、樫などの広葉樹の葉やササも大好きです。

もしご家庭で出た草や葉を鹿のために役立てたいと思っていただけるのであれば、ぜひ奈良の鹿愛護会までお持ちください。鹿たちがとても喜びます。

実は、昨年も同じ内容のお知らせをブログに載せたのですが、そのことを覚えてくださった方から先日その日に刈った草をいただきました。鹿たちに与えると、ものの数分で完食でした。

今年もぜひみなさんのご協力をお願いします。

<持ってきていただくにあたっての注意事項>

来られる前に、必ずお電話ください(電話番号0742-22-2388)。持ってきていただくのは、平日の9時~16時の間でお願いします。土日、祝日の場合、事務所が留守のことが多く、対応できかねます。

木の葉についている小枝は、直径1cmまででしたら大丈夫ですが、それ以上になりますと、鹿は食べなくなるためお受けできません。

生草は、刈って数時間内であれば喜んで食べますが、新鮮度が落ちてしまうと食べなくなるため、可能な限り刈った当日お持ちください。

鹿に与えても食べない植物、与えてはならない植物は、シダ類、アジサイ、アセビ、ナンキンハゼ、ナンテン、ロウバイ、ツツジです。これらの植物はお持ちにならないようにお願いします。

奈良公園の鹿マナー ~母子鹿(春)~

奈良の鹿愛護会公式YouTubeチャンネル動画更新しました。
内容は奈良公園の鹿マナー、母子鹿についてです。
動画はこちらよりご覧ください。
https://youtu.be/pcjxqc15Qc0

国の天然記念物「奈良のシカ」からのお願い
奈良公園にお越しの皆さまに知っていただきたい「シカマナー」
春は子ジカ誕生の季節です。奈良公園のあちこちで子ジカの姿が見られますが、子ジカには近づいたり触ったりせず、そっと見守って下さいね。
公園内で鹿の赤ちゃんを見つけたら、そっと見守ってください。

【鹿からのお願い】
〇子鹿は生後2~3週間は草むら付近で隠れて過ごす習性があります。
〇お母さん鹿は母性本能が強く、人が赤ちゃん鹿に近づいたりするだけで攻撃してくることがあります。
皆さまのご協力をお願いいたします。

シカの治療を手伝ってくれるボランティアの木村さん

奈良の鹿の治療を手伝ってくれる頼もしい助っ人がやって来ました!
先日、奈良の鹿愛護会では治療ボランティアさんを募集しましたが、
ツイッター経由で募集記事を見て応募してくれたのが木村さんです。
木村さんは、人間の看護師さんです。
鹿苑では、エサやりや掃除などの鹿の世話全般から本格的な治療の
補助まで幅広く手伝ってもらっています。
さすがに注射や点滴の用意は手慣れたもので、大変助かっています。

木村さんがボランティア活動に参加して感じたことを書いてくれました。
エサやり、水の交換、掃除、治療と鹿に関わる一連の作業があり、
まず体力仕事だなと感じました。
ボランティア中に交通事故で運ばれてきた鹿や、治療中の鹿、片足を
引きずっている鹿などがたくさんいて、事故やけがなどで傷ついた
鹿の多さにも改めて驚きました。
命を落とす鹿を見て、どうにかできないか…という思いと何もできない現実とで、
残念な気持ちもありますが、野生の厳しさでもあるんだと感じました。
ケガをしていても、摘んできたクローバーをおいしそうに食べてくれる姿を見ると、
とてもうれしく思いました。
私にできることは小さなことしかありませんが、1頭でも元気に幸せに過ごせること
ができるように、ボランティアをできればと思います。

鹿へのあたたかい愛情を注いでいただき、ありがとうございます。

奈良ダイハツ様と奈良公園内の清掃活動

奈良ダイハツ様による地域社会貢献活動の一環として
奈良公園内の清掃活動を実施していただきました。

総勢で50人の方々により奈良公園内を清掃活動していただきました。

複数の班に分かれて奈良公園内でゴミを集めます。

ゴミは総量で19キロも回収されました。

奈良公園に生息する鹿たちが捨てられたゴミを誤って食べてしまい
病気になってしまうこともあります。
奈良公園に来られた際はゴミは必ず持ち帰ってくださいね。

奈良ダイハツ様、奈良公園の鹿たちのために本当にありがとうございました。

お母さん鹿の保護をしています。

現在、奈良の鹿愛護会では出産を控えたお母さん鹿を鹿苑に保護しています。
保護されたお母さん鹿は、ストレスを感じることなく安全に出産して育児をします。
中には奈良公園で出産するお母さん鹿もいますので、奈良公園で子鹿を見つけても
絶対に触らないでください。温かく遠くから見守っていただきますようにお願いいたします。

【お母さん鹿の保護活動の様子】

お母さんしかを眠らせて鹿苑まで安全に保護します。

保護したお母さん鹿の状態も確認します。

鹿苑に保護されているお母さん鹿たち

保護活動中は近寄らないように離れて見守ってください。
皆さまのご理解ご協力よろしくお願いいたします。

【鹿からのお願い】
○公園内で鹿の赤ちゃんを見つけたら、そっと見守ってください。
子鹿は生後2~3週間は草むら付近で隠れて過ごす習性があります。

○鹿の赤ちゃんに触らないでください。
人の匂いがついてお母さん鹿がお乳を与えなくなることがあります。

○お母さん鹿に注意してください。
お母さん鹿は母性本能が強く、人が赤ちゃん鹿に近づいたりするだけで攻撃してくることがあります。

○鹿が誤ってゴミを食べてしまいますので、ゴミは必ず持ち帰りましょう。

○奈良公園に生息する鹿は野生動物で、主にシバや木の実を食べ、「鹿せんべい」はおやつです。
その他の食べ物を与えるとお腹を壊しますので与えないでください。

奈良公園の鹿からのお願い(STOPえさやり)

国の天然記念物「奈良のシカ」からのお願い(STOPえさやり)
のYouTube動画を公開しました。

奈良公園に生息する鹿は野生動物で、シバを主食とし、ほかに木の実(ドングリ)・木の葉などを食べる草食動物です。
安易な気持ちで人の食べる物を鹿に与えることは、鹿にとって有害になることもあります。
皆さまのご協力をお願いいたします。

動画はこちらからご覧ください。
https://youtu.be/laWP2oHGtkw

奈良県の取り組みについても併せてご覧ください。
http://www.pref.nara.jp/item/245985.htm#itemid245985

ならしかの休日vol.7

いつも奈良のシカの保護活動にご支援いただいている、
「ならしかの休日vol.7」が開催されます。
鹿モチーフだけを集めたクラフト展です。

【会期】2021年3月24日(水)から30日(火)
【時間】11:00から19:00(最終日は18:00迄)
【会場】雨の日製作所(入場無料)
奈良市芝辻町4-6-16セイシェルビル2F
(近鉄奈良線新大宮駅より徒歩4分)
※来場は予約制になっているとのことです。

詳しくは公式フェイスブックページをご確認ください。
https://www.facebook.com/narasika11
メール:mail@m-mascot.com

是非皆さま足を運んでみてくださいね。

鹿のニュースで思うこと

今週の火曜日、奈良のシカを刃物で殴打して死なせたとして、男が逮捕されました。
このニュースに対して、多くの人は「なんてひどいことをするのだ!」と憤り、男の行為への非難がネット上では飛び交っています。

もちろんこんなひどいことは許せませんが、男の発言で一つ気になることがあります。報道によると「鹿が自分の車に体当たりをしてきたので腹が立ち、鹿の頭を切りつけた」と言っていることです。

普段、鹿の治療を行っており、治療鹿の世話もしている身として、鹿が人に体当たりする理由はいくつか思いつきます。例えば、鹿が何かに驚いて急に駆け出した時、たまたまその進行方向に人がいた場合。鹿の進行方向には、鹿の気を引こうと何か食べ物を与えようとする不届き者がいる場合もあります。

実際、私が車を運転していた時に、春日大社の参道内の木の枝を折って葉を鹿に与えている人がいました。鹿は葉を好んで食べます。この時、葉っぱにつられてたくさんの鹿が道路を渡っており、私は車にひかれないかひやひやしました。もちろんこの人には「危ないから絶対にやめてください。そして公園内の木を折ることもだめです」と注意しました。

それ以外に鹿が人に突進する理由として考えられるのが、母鹿が子鹿を守ろうとする場合、または雄鹿が発情期で戦っている最中に人が運悪く巻き込まれる場合などです。

しかし、鹿が車に突進する理由は特に思い当たりませんし、車に体当たりする様子を見たこともありません。逆に車が鹿に体当たりすることならいくらでもありますが。

車に体当たりされて今回のケースのように悲惨な死に方をする鹿は、報道されませんがたくさんいます。

私が見てきてひどいな、と思ったトップ3を挙げてみると、まずは左右の骨盤が両方とも折れてしまった年老いた雌鹿。おそらく大型車に後ろからぶつけられたのでしょう。立ち上がることもできなくなり、エサも受け付けず、一週間足らずで死亡しました。

次は車に体を巻き込まれ、全身の皮膚と筋肉が裂けて臓器がむき出しになり、交通事故から数時間後に死亡した子鹿。全身血だらけで鹿苑に連れてこられたときはまだ息がありました。でもどうしてあげることもできませんでした。

最後は車にあたって、3本の肢を骨折した子鹿。そのうち2本の肢は折れた部分の下の細胞が死んでしまったので、命を助けるために手術で切断しました。結局それでも助からず、その後息を引き取りました。

今回のニュースはショッキングで、驚かれた方も多いと思いますが、ニュースにもならないところで、たくさんの鹿たちが犠牲になっています。

奈良のシカを車でひいても、故意に殺そうと思ってひかない限り、罪に問われることはありません。しかし「かわいそうなことをした」と言って、奈良の鹿愛護会に連絡してくれる人はほとんどいません。

本当は、なぜ鹿がひかれたのか、その時の状況はどうだったのか、こちらとしては今後の対策を探る上で、事故を起こした人にいろいろ聞きたいのです。そうすれば、悲しい事故は減るかもしれません。でもひき逃げされてしまうと、そういう情報が得られず、鹿も浮かばれないのです。

獣医師

交通事故で寝たきりの子鹿
交通事故で前足を失った鹿