毎年、秋になると鹿の交通事故が増えてきます。理由の一つは、発情期に入って雄鹿が活発に動くようになるから。そしてもう一つは子鹿が大きくなって、活動的になるから。
現在、鹿苑では両前肢を骨折した子鹿、両後ろ肢を骨折した子鹿、前肢と後ろ肢を1本ずつ骨折した雄鹿が治療を受けています。
両前肢を骨折した子鹿。重症にもかかわらず、鹿せんべいはよく食べています。
両後ろ肢を骨折した子鹿。残念ながら具合がよくありません。
交通事故で右前肢と右後ろ肢を骨折した雄鹿。この雄は、元気がなくエサをほとんど食べません。
鹿の交通事故が多いのは、県庁前から近鉄奈良駅へ続く道、大仏殿交差点から飛火野に向かう南北の道です。それ以外に転害門周辺の道などでも鹿は車に轢かれています。特に日没後、鹿が見えにくくなる夜間が要注意です。
鹿は、一頭が道を渡ると次々別の鹿が後に続く習性があります。ドライバーのみなさん、鹿を見かけたら、スピードを落として道路わきに鹿がいないか注意しましょう。
それから鹿せんべいを道沿いで与えている人を時々見かけますが、道沿いで鹿に鹿せんべいを与えるのは、どうかやめてください。鹿は鹿せんべいが大好きなので、鹿せんべいに夢中になって車の存在に気づかないことがあります。鹿の交通事故を防ぐためにもみなさんのご協力、よろしくお願いします。