奈良公園のゴミについて

こんにちは

日本獣医生命科学大学の宇佐見です。

今回は春日大社の二ノ鳥居~若草山~東大寺をまわってゴミ拾いを行いました。落ちているゴミは前回より少なかったように感じましたが、これは今回まわった所が前回まわった春日大社参道に比べるとお店が多い場所であり、高い頻度で清掃がされているためではないかと考えました。今回拾ったゴミは以下のようなものです。

①外国語表記の包装
②鹿が食べていたパンフレット
③テイクアウトしたコーヒー

次に前回の調査と今回の調査を合わせて落ちていたゴミの種類をまとめてみました。

食べ物の包装袋が一番多いという結果になりました。食べ物の袋には外国語表記のものも多く見られました。また、テイクアウトしたコーヒーのカップなども落ちていました。

鹿は食べ物の匂いが付いていると、食べてはいけないものであっても食べてしまうため食べ物の袋は鹿が誤食している可能性が高いと考えられます。

また、今回の2回の調査で鹿がパンフレットを食べる(あるいは食べようとしている)姿を目撃しました。このことから鹿はパンフレットのような紙類を誤食しやすいのではないかと考えました。有名な観光地でもある奈良市内ではパンフレットがいたるところに置いてあります。これらを鹿に食べられないように鞄の中にしっかり入れ、捨てていかないことを観光客の方に伝えていくことが大切だと思いました。

奈良公園の鹿は野生動物です。生きていくためには餌も水も自力で得ていかなければいけませんし、そのために必死です。落ちている物が餌だと認識すれば、例えそれが体に悪いものだとしても鹿たちは分からずに食べてしまいます。奈良公園内には鹿がゴミ箱を漁ってしまうのを防ぐためゴミ箱の設置が無く、定期的に様々な団体のボランティアの方がゴミ拾いをしてくださっていますが、原則ゴミは自分で持ち帰ることになっています。誤食による鹿の病気の発生を防ぐためにも人間側が意識し、ゴミは自分で持ち帰る、ということを訪れる方に守ってもらう必要があると感じました。

鹿の交通事故防止を呼びかけます。

奈良市生涯学習財団様のご協力で、奈良市生涯学習財団事務局、生涯学習センター様の公用車30台に鹿の飛び出し注意ステッカーを貼り、鹿の交通事故防止を呼びかけていただきます。

奈良公園の鹿たちは、年間約130件の車との交通事故があり、そのうち約半数の鹿たちが残念ながらいのちを落としています。
奈良公園は国の天然記念物「奈良のシカ」の生息地です。
みんなでたいせつに保護しましょう。
奈良市生涯学習財団様、ご協力ありがとうございます。

日獣大から実習生が来ました

はじめまして!

1月21日から実習生として奈良の鹿愛護会でお世話になっている日本獣医生命科学大学獣医学科5年生の宇佐見です。

今回私は奈良公園内に落ちているゴミについて書かせて頂くことになりました。

奈良公園内とその周辺にはたくさんの野生の鹿が生息していますが、近年、観光客の増加に伴い、公園内に人間が落としていった紙類やビニール袋などのゴミを鹿が誤って飲み込む、食べてしまうというトラブルが多く発生しています。これらのゴミを鹿が間違って食べてしまうと、胃の中で消化できず、その量が多ければ胃内にどんどんたまっていって、第一胃停滞、第一胃鼓張症、腹膜炎、ルーメンアシドーシスといった病気を発症してしまい、衰弱して最悪の場合命を落としてしまう危険もあります。このように人間の出すゴミによる悪影響は奈良公園の鹿に限らず野生動物や環境にとって大きな課題となっています。

奈良公園の鹿の生息域は広くこの問題を根本的に解決していくことはとても難しいと考えていますが、まずはこの実習期間中に公園内のゴミ拾いをしながら、どのような種類のゴミがどれくらいの量落ちているのかを調べてみたいと思います。

調査初日は愛護会のある鹿苑から春日大社までの参道(約350m)とその周辺を調べました。時間は30分程度でしたが小さい袋からパンフレットまで約20個、様々なものが落ちていました。


①外国語表記の食べ物の包装紙



②落としてしまったと思われる飴とその棒



③一度鹿が食べて吐き出してしまったと思われるゴミ



④キーホルダーなどの雑貨の落とし物


ゴミ拾いの最中、鹿せんべいを鹿にあげている観光客の方のガイドブックが鞄の中から少し出ていて、周りにいた鹿がガイドブックを食べようとしている現場に遭遇しました。今回はその場で鹿が食べるのをやめさせることができました。このようなアクシデントを防ぐためにも荷物はしっかり鞄の中に入れて管理をしてもらうように伝えていく必要があると感じました。

リハビリ子鹿のその後


昨年、交通事故で歩けなくなり、リハビリを行っている子鹿について紹介しました。

残念ながらこの子鹿は、年末に息を引き取りました。性格が穏やかな鹿で、ここの環境にも順応してくれていました。本当に悲しい限りです。改めて鹿の交通事故が減ってほしいと強く思いました。

ただ、亡くなる前日まで、子鹿は自力で餌を食べていましたし、意識もはっきりしていました。リハビリも嫌がる様子はなく、むしろ気分よさそうにしていました。動かなかった後ろ脚にも少しですが、力が入っている感触をつかんでいました。

死因は、床ずれが体に数か所かできていたので、感染ではないかと推測しています。寝る向きを1日に何度か変換するなど、いろいろ工夫はしていたのですが、自分で体の向きを変えられないと体重がそれなりにあるだけに床ずれを防ぐのは難しかったです。

年明け早々悲しいお知らせとなってしまいましたが、今回の件でリハビリが、食欲を増進し、運動機能の回復にある程度有効であることがわかりました。もう少し子鹿が生きていたら、脚がもっと動かせるようになっていたかもしれません。同じような状態の鹿が今後運ばれてきたら、今回の経験を治療に活かしていきたいと思います。

子鹿のリハビリ

今年生まれの子鹿2頭、雌鹿1頭、雄鹿3頭。12月に入って、交通事故が原因で死亡した鹿の頭数です。

こちらの子鹿も交通事故で運び込まれてきました。鹿苑に来た当初は、寝たきりで顔もうまく動かせない状態でした。

交通事故から2週間が経過した現在、顔は自由に動かせるようになりました。自力で立ち上がることはできませんが、前足で体を支えることはできます。

こちらは、リハビリ中の写真です。梯子と布を使ってスタッフが作ったリハビリ道具に体を乗せて、力が入らない後ろ足を動かす練習をしています。

このリハビリを始めたところ、よく食べるようになりました。好物は、竹の葉とヨモギです。

まだまだ感染のリスクがあり、予断を許さない状況ですが、少しずつでも食べて元気になってくれたらうれしい限りです。

鹿を交通事故に巻き込まないために私たちができること
奈良公園内で車を運転するときは、前方だけでなく道路の両横にも注意して運転することが大切です。道路横にいる鹿を発見できれば、「もしかして飛び出してくるかも」と予測がたちます。当然、ドライバーは慎重に運転するようになりますし、結果として鹿の交通事故が減ると思います。

12月8日 奈良の冬景「鹿寄せ」

今日は寒い中たくさんの方々に来ていただきました!

鹿寄せの時にケガや病気の鹿の為の募金活動をしております。

本日は皆様のおかげで11,751円も集まりました。

ありがとうございます。

明日(9日)は奈良マラソンが開催されますので、鹿寄せはお休みです。

12月8日の皆様。

 

交通事故に遭った子鹿のその後

11月16日に交通事故に遭った子鹿の続報です。
一時は厳しいかも・・・と悲観的になったこともありましたが、
11月20日以降急回復を見せ、昨日無事奈良公園に放しました。

この写真の真ん中の鹿が、以前に毛布をかぶって、ぐったりしていた子鹿です。
両脇の2頭の鹿は、両方とも骨折の治療を行っていた鹿です。
骨折していた肢の具合がよくなったので、
交通事故の子鹿と一緒に奈良公園に帰っていきました。

これが鹿苑を出ていく時の子鹿の様子です。

脱兎のごとく、かけぬけていきました。
元気でね。
応援してくださった皆様、ありがとうございました。

 

治療中の子鹿の様子《続報》

11月16日に交通事故に遭って
現在治療中の子鹿は、
皆様の応援の甲斐もあって
少しずつですが回復しています。

今日は、自分で柔らかい草(ヨモギなど)や、ドングリ、鹿せんべいなどを食べられるようになりました。
傷ついた右目も、少しパッチリ開くようになりましたよ!
徐々に外の環境に慣らしているところです。

早く公園に帰れますように。。。

悲しいお知らせと、皆様へお願いです。

悲しいことに、また子鹿が交通事故に遭いました。

この子鹿は、11月16日の早朝、
高畑観光駐車場のあたりでうずくまっていたそうです。

検査を行ったところ、右肺を損傷していることがわかりました。
非常に危険な状態で、現在懸命に治療中です。

皆さんにお願いです。
もし、皆さんが鹿の交通事故を目撃したら、
すぐに奈良の鹿愛護会までお電話ください。
電話番号:0742-22-2388(携帯電話に登録しておいてくださいね。)

その時に、
事故が発生した場所や鹿の特徴(オス、メス、子鹿などわかる範囲で)のほか、
交通事故の状況(ドライバーはどのくらいのスピードで走っていたのか、鹿は道路に急に飛び出したのか、それともドライバーが鹿に気づかなかったのか等)を教えていただけると、今後の対策の参考になりますので、助かります。